11期 佐藤
海に向かって観音経偈、舎利礼文を誦える曹洞宗専門課程でご指導くださった中野東禅先生が八月三日に東北被災地にて慰霊供養を行われるとのお話に、私たち卒業生六名がお供をさせていただくことになり、仙台駅からタクシーで三十分ほどの若林区荒浜海岸に向かいました。
高速道路のガードをくぐるとそこは見渡す限り一面の災害跡。
高いものといえばどうにか残ったコンクリート軀体と斜めに傾いた電柱。ガソリンスタンドと思われる建物が残っておりますが、漂流物の家か船によって屋根がつぶされており、津波の威力と恐ろしさを見せつけられました。一瞬にしてこの地から何もかも奪い去ったことに無常を感じざるを得ません。五か月にして地面より緑の雑草が伸び出ておりこれもまた無常。
荒浜の海岸に線香を立て、海に向かい、また陸に向かい観音経偈・舎利礼文などを諷誦し、また中野先生による遭難死亡者供養回向が唱えられ、犠牲になられた方々の慰霊と不明者の早期発見、そして早期復興を祈りながら荒浜を後にしました。
仙台駅で講演先に向かわれる中野先生にいとまを告げ、我々のうち四名は宮城県亘理町に向いました。塾八期生の真壁さんが「行持院」を建立されており、この行持院で十五期の大城さんが修行研鑽しておりましたが、震災の三日前、急に病のため他界されていたので、そのお別れの会。真壁さんに迎えられ、本堂にて本尊上供・新盂蘭盆会の大悲咒・甘露門などを諷誦し、熱心に精進しておられた大城さんを偲び、別れを惜しみました。
被災地に慰霊させていただき、また大城さんとお別れができたことで、ホッとした気持ちで帰路につきました。
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