仏教童話

仏教童話『金色のガチョウ』

日付:2019年6月10日

197-18.jpg むかし、あるバラモンのいえおとこまれました。やがて立派りっぱ青年せいねんとなりつまをめとって、二人ふたりには三人さんにんむすめまれました。

 家族かぞくなかよくしあわせにらしておりましたが、あるときおとこ急病きゅうびょうにかかり、何日なんにちもたたないうちにくなってしまいました。のこされたつま三人さんにんむすめかなしみにくれましたが、いてばかりもいられず、よそのいえやとわれてはたらくことになりました。

 一方いっぽうおとこんだあと金色きんいろのガチョウにまれわりました。ガチョウのはねごとにうつくしくかがやき、こののものとはおもえないほどになりました。

 ガチョウはうつくしい自分じぶん姿すがたながめながらふと自分じぶん前世ぜんせおもうと、つま三人さんにんむすめことおもし、きっとらしにこまっているにちがいないとかんがえました。

―そうだ。わたしのこの黄金おうごんはねつまむすめたちにやることにしよう。これをればなんとからしていけるだろう。

 そこで早速さっそくつまたちのところんでいきました。そこは粗末そまつ小屋こやでした。ガチョウはその屋根やねまり、じっとなか様子ようすをうかがっていました。するとしばらくして、薄汚うすよごれた着物きものつまむすめたちがいえなかからてきました。そして屋根やねまっている金色きんいろのガチョウをつけてこえげました。

「まあ、なんてきれいなとり

金色きんいろのガチョウだわ」

「どこからんできたのかしら」

 ガチョウは「わたしはおまえたちのとうさんだよ。いまはガチョウにまれわっているが、おまえたちのことが心配しんぱいになって様子ようすたのだよ。これからわたしはね一枚いちまいずつやることにしよう。これをればらしもらくになるだろう。」とって、一枚いちまいはね地面じめんとし、そのままっていきました。

 つまむすめたちは黄金おうごんはねり、らしもすこしずつらくになっていきました。それ以後いごもガチョウはしばしばたずねてきて黄金おうごんはねとしていきました。

 ところがあるのこと、つまむすめたちにいました。

畜生ちくしょうのいうことなど信用しんようならない。あのガチョウもそのうちきっとなくなるだろうよ。今度こんどここへあられたなら、あの黄金おうごんはね全部ぜんぶってしまおうじゃないか」

 むすめたちは「おかあさん、なんてことをうの。そんなことをすればおとうさんはいたおもいをするし、べなくなってしまうじゃないの」と反対はんたいしました。しかし貪欲どんよくつまむすめたちの言葉ことばみみそうとはしませんでした。

 何日なんにちかしてガチョウがんできたとき、つま手招てまねきして、「あなた、こちらにいらしてください」といました。金色きんいろのガチョウが手元てもとにやってくると、それを素早すばやつかまえてはね全部ぜんぶぬきってしまいました。ところがった途端とたんにそのはねはただのしろはねわってしまったのでした。

 つま丸裸まるはだかにされてぶことのできなくなったガチョウを鳥小屋とりごやめ、えさあたえるたびにいました。

「さあもとのような金色きんいろはねやしなさい」

 ところが、えてくるはねはみなしろいものばかり。しろはねえそろったある、ガチョウはって、二度にどもどってくることはありませんでした。

(ジャータカ一三六より)

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