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社会的弱者に手を差し伸べて ―ひとさじの会の活動光景―

日付:2019年6月10日

編集人 峯島

 当塾専門課程浄土宗コースで講師をつとめられる吉水岳彦師は、彼の創設した社会慈業委員会(通称・ひとさじの会)で注目を浴び、ご存知の方もいるだろう。

 同会は二〇〇九年の発足以来、路上生活者への炊き出し、配食を行っている。吉水師が路上生活者のための葬式や墓の相談を受け、二〇〇八年に生活困窮者のための共同墓を建立したことがきっかけとなって、翌年四月に設立された。

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本堂外での炊き出し  
 炊き出しは月の第一、第三月曜日、午後三時より吉水師が副住職を務める光照院(東京都台東区)にて行われる。今年最初の炊き出しの場所に伺うと、塾二十九期卒業生の姿が。吉水師を尊敬して毎回炊き出しに参加しているとのことであった。

 ご飯が炊けると、道路向こうのガレージまで運んで、おにぎり作りが始まる。衛生面に注意して、アルコール消毒にマスク、ビニール手袋着用で、一つ一つ作っていく。

 ベトナムの仏教徒団体「隨縁禅室」のメンバーも十数名ほど手伝いに参加しており、本堂の外で春巻きを揚げていた。

 夕方には配る薬や衣類などのチェック。毎回一定量をバッグにつめて配食・夜回りの際、一緒に配っていくのだ。

 長らく参加されている方に「彼らのために尽くされてすごいですね。」と声をかけると、「自分のためですよ。」と返された。総じて「しなきゃいけない」ではなく、「各人の出来る範囲でやる」という姿勢が貫かれ、自由な雰囲気であった。炊き出しのみ、配食のみの参加も可能で、それも途中で「仕事があるから」と帰っていく方もおられた。家族連れで手伝いに来られる方もいた。

 午後七時半、本堂で困難な状況にいる方への幸せを願い、ご法楽をささげる。お勤めの後に吉水師から挨拶があり、支援をしていた人が申請手続きを行い、路上生活を辞めたとの報告があった。路上生活に至る理由には様々あるのだろうが、頼れない、家族に知らされるのが嫌などの理由で行政の援助を求められずにこのような状態が長期化するようだ。ひとさじの会は彼らが助けを求められるよう手を差し伸べ続けている。

 午後八時には山谷商店街、浅草、上野など五つほどの班に分かれ、コースリーダーのもと五、六人組で配食・夜回り活動を行っていく。光照院から車で吾妻橋のたもとまで行くと配食ボランティアの方が集まっていた。

 一月上旬の配食・夜回りは冷たい空気が身に刺さる。「雪の中を行ったこともありますよ」と同行のご婦人。雨の日でも催行されるとのことで頭が下がる思いだ。

 今回、編集子は浅草寺界隈、隅田川河川敷を歩いたが、段ボール箱の中にいる方に声をかけて渡す場合もあれば、待ち合わせのような形で渡す場合もあった。

 その際、おにぎりやおかず、カイロや飴、そのほか衣料品や医薬品などで不足しているものはないかを尋ね、彼らが必要とするものを渡した。

 配るときの原則がある。立って渡すのでなく、しゃがんで彼らの目線になって渡す事である。

 ひとさじの会の方々が路上生活者を尊厳ある人間とみている証であろう。偏見で危ない、不衛生とみて避けてしまいがちだが、彼らも条件が重なって、この様な状況に置かれてしまったにすぎない。「自分は決してこうはならない」と誰が断言できるだろうか?

 最近参加したばかりという方からは「意外と普通の人であることに驚きを感じた」との感想が。

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  配食・夜回りの前に吉水師のご挨拶
 一緒に配食したボランティアには中国、ベトナムなど外国出身の方も多く、彼らが臆する様子もなく路上生活者に接する姿には感銘を受けた。

 ひとさじの会は法然上人の説かれた万機普益・平等救済(すべての人が救われる)の精神を社会において具現化しようと、浄土宗の僧侶方が中心となって立ち上げた会であるが、真言宗智山派、立正佼成会の方も炊き出しや配食に加わり、国籍・宗教を越えた活動となっている。

 ひとさじの会はお米、寄付、活動といった三つの方法での参加を募っている。詳細はひとさじの会ホームページ(http://hitosaji.jp/)をご覧ください。

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