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卒業生は今!!

卒業生は今!! 仏法と甘く考えていた親の介護

日付:2019年2月10日

第二十七期 大澤 和子

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  ご詠歌に癒される(中央が筆者)
 以前自宅を坐禅道場にしていたが、父が認知症の為、静かに出来なくなり、場所を練馬区に移した。自宅の坐禅会を諦める時はかなり心が沈んだ。その時の私の勤め先である曹洞宗の傳叟院というお寺でお勤めしていた時に、若い僧侶が四、五人集まり鐘を鳴らしながら歌を歌って居た。凄く癒される歌、これは何だろう?練習を終えた僧侶に聞くと、御詠歌ですと教えて頂いた。この歌のことが何故か気になり、もう一度聞きたいと強く思った。もしかしたら鶴見の総持寺でやっているかもと思い、電話をしたところ練習をやっているとのこと。早速、見学に行くことにした。

 歌は下手くそな私なので、初めは聞いてるだけで良かったのですが、練習を重ねてる間に、道具を家に持ち帰り、自宅で練習をしていると、認知症の父が懐かしいと話し、幼い頃近所のおばさん達がよく歌っていたと言う。もしかしたら認知症の父の癒しになるかもと思ってからは、練習に身が入る様になり先生や先輩の話が楽しく思える様になりました。

 しかし一年前から父の認知症と誤咽が重く要介護認定三になりました。母子家庭の私は仕事を辞めるわけにいかず、結局ケアマネージャーに依頼。留守中自宅に他人入り込むことにより、親子、兄弟関係の歯車が変わっていきました。それまで父の貯金がいくら有るのか知らなかった私に、父の預金管理をする責任が重くのし掛かるとともに、まさかの遺産争いに巻き込まれることとなりました。心身ともに疲れ果てた私は、父の通っている脳神経外科に相談すると、兄弟の立ち位置を聞かれた。女で有る末っ子の私に、昔の人は嫁、娘に対し男尊女卑感を持っている、家督制度が生き残ってることにも原因が有ると言う。それならばどうすれば良いのか。もっと原因を突き止めると、何時もその場しのぎで子供に関わってきた父との親子関係、兄弟関係にあると思われた。しかし父だけを責める訳にはいかない。父は父親を一歳で亡くし、七人兄弟の末っ子で母子家庭に育ち十六才で特攻隊に志願、予科連で厳しい訓練中に戦争が終わり、生き残ったことを恥ずかしいと話していたこと。結婚してから一番目、二番目の子供を死産で亡くしたばかりでなく、父が五十二歳の時に妻(私の母)も亡くしている。仕事人間に成らざるを得なかったことを考えると父だけを責めることはできない。父を憎めず、兄弟への蟠りを無くすにはどう考えれば良いのだろうか。岡田尊司著『きょうだいコンプレックス』(幻冬舎新書)によると、旧約聖書の[創世紀]には、カインとアベルの確執の話が語られている。父への贈り物をカインの物よりアベルの方を喜んだ父。嫉妬でカインがアベルを殺してしまう話。また兄弟は永遠のライバル、親の愛情は平等では無いとも書かれている。私は四人兄弟、私の子供も四人兄弟、振り返れば、自分も子供への愛情を平等にしてきたか、段々考えさせられる様になる。家族以外に対して、私の言動で不愉快な思いをした人がいなかっただろうか。考えれば考える程ぞっと恐ろしくなってくる。

 人間関係の原点が家族ならば、絡まった糸をほどくしかない。それならば仏教の教えの染汚を不染汚に戻し、仏性を持つ、それには忍耐が必要だ。それが簡単なことでは無い。頼りない弱い自分がいることで、御詠歌や坐禅を通し、仲間や僧侶と語り合う時間を持ち、仏法を忘れない様に心掛け、何時までも側に寄り添い続けたいと願っているこの頃である。  合掌

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