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「放生」を行う中国人

日付:2017年3月10日

編集人 峯島

 過去に東南アジアの仏教事情を紹介することがありましたが、今年も時折、諸外国の仏教事情について書こうと思います。

 ある日、調べ物をしていた矢先、動画サイトのユーチューブで、とある動画を発見しました。それは東京・足立区の川岸で「放生」をしている中国人の様子を映していました。

 放生とは供養のために捕えた生き物を池や野に放つ行為。

 日本でも奈良時代より行われており、今でも春や秋に全国の八幡宮や寺院などで催され、特に石清水八幡宮で行われるものが有名です。

 動画では、まず築地市場で活きた魚を大量に購入して、車で目的地に移動。足立小台とあるから、足立区小台をはさむ荒川か隅田川かわかりませんが川岸、橋の下に集合して(参加者の多くは女性)、参加者は小さなマニ車を回しながら、中国語でお経を唱え、川に魚を放流していました。

 一見、善行に見える放生ですが、中国では社会問題を起こしているとのことです。

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放生行事の案内(生命電視・台中五方講堂ブログより)

 産経ニュースで中国事情を紹介する石氏によると、淡水魚を購入して海に放つとか、放生と称して毒蛇やワニを里山や公園に放つ人がいるほか、放生した魚介類を捕獲して食したり、転売することもされているようで、山東省済南市郊外では市民が二千五百キロのコイを購入して黄河に放生したところ、下流の百メートルも離れていないところで数百人がコイを捕えるために待ち構えていたり、広東省広州市を流れる珠江では毎週日曜に「放生船」が仏教徒を乗せて川の真ん中で放生する一方、「放生船」が出発すると珠江の両岸で待機していた「日曜漁夫」と称される市民が動き出し、網や釣竿が数キロにわたって水面に並ぶ光景が見られ、「日曜漁夫」の後ろには臨時の「魚売り場」ができて、捕えられた魚はその場で売買されるとのこと。

 さらに野生の鳥を捕まえて放生する団体や人に売るビジネスも生まれており、鳥の親が捕まって放生される前に巣の中のヒナが餓死するという皮肉な状況も生じているそうです。

 このほか日刊サイゾー六月二十七日の記事では、飼いならされたスズメが放生されて大量死し、北京市ではホッキョクギツネなどが山に放生され、飼われていたニワトリが噛み殺されるといった事件が紹介されていました。ライターの吉井氏によると、功徳を手っ取り早く金で買いたいという富裕層の間で人気が高まっているとのことです。

 台湾のインターネットTV説法で有名な僧侶も放生を強く勧めていることもあり、華人仏教徒の間では放生ははやりのようです。

 私は動画を見て、生態系への影響に思いをはせずにはいられませんでした。生き物に対する慈しみは仏教の教えに照らして大事ですが、規模が大きくなれば影響が出てくる可能性もありますから、よく考えて行ってもらいたいものだと思った次第です。
 
石平のChina Watch
産経ニュース
2015年8月13日
http://www.sankei.com/column/news/150813/clm1508130009-n1.html
日刊サイゾー
2016年6月27日
http://www.cyzo.com/2016/06/post_28559_entry_2.html

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