授業情報

仏教を生活として受け止める第一回修行

日付:2010年7月14日

ゴールデンウィークに30数名が集う第一回修行

 第23期仏教塾の第一回修行は、千葉県大多喜町の日蓮宗妙厳寺・南無道場にて行われ、受講生は二泊三日の修行に臨むことになりました。
145-10-2.jpg妙厳寺 野坂住職・大熊学監を囲んでA組の皆さん方
145-11-5.jpgゴールデンウィークにもかかわらず、修行に励むB組の皆さん方
 A組は4月24日、B組は5月1日に始まり、それぞれ31名、34名の受講生が参加しました。
 指導くださるのは妙厳寺ご住職野坂法行師。また日蓮宗法友の会を中心に多くの塾卒業生の方が研修指導や食事など手助けに来てくださいました。
 初日の正午前には受講生が妙厳寺に集合して、午後一時より本堂にて開講式。大熊学監は「まっさらな気持ちで、仏教がいかに形として現れるかを学んでいただきたい。」と挨拶。
 野坂師は「仏教の教えが知識のままでは役に立たない。生活の中で受け止めてこそ生きたよりどころとなる。仏教を体で受け止めてほしい」と述べておりました。

大熊学監の講義

145-11-3.jpg大熊学監の講義

 開講式が終わると早速大熊学監の講義です。学監の講義は初日・二日目にと三回に分けて行われました。まず最初は「学ぶこころ」。
 「仏教とはお釈迦様が説かれた教えであると同時に仏になる教えである」と述べた上で、四弘誓願が我々の歩むべき道しるべとなるであろうと述べられました。
 また学ぶ姿勢としては、自らを空っぽにして受け入れる姿勢の大切さを説かれました。
 二日目午前の講義は「僧伽」について。仏教教団の起源や構成形態、戒律の説明の後に、仏教の日本への伝来から、江戸幕府の仏教政策など、現在の寺院のあり方になる原型が作り出された背景を学びました。
 午後の講義では寺の機能、教団の組織化、そして寺院の現況について考察しました。

野坂師講話

145-11-2.jpg野坂師の講話

 初日の夜および二日目の夕方は野坂師による講話が行われました。
 第一回、A組では「信心するってどういうことですか」、B組では「なぜ私たちは仕事をするのでしょうか」という題にて信心、また、仏教の観点から仕事をすることの意義を考えました。
 野坂師は「宗教とは人間が人間らしく生きていく根本であり、これがなければ人生に一本筋が通らない」と述べ、「我々がいろいろな人、もの、そしてそれらの奥にある、目に見えないけれど大いなる法(神仏)によって生かしめられている自分に気づくことが信仰である。」とお話になりました。
 そして、生かしめられている自分に気づいたら、その恩に報いるべく、自分の存在を何かに生かしていくことが仕事であると述べておられました。
 二日目の講話は「行軌作法」。前日の「信仰とは人間を超えた存在を感じること」という話に続いて、それを感じるための手続きは何かについてお話下さいました。
 尊重の精神と、厳粛な態度を成り立たせる手立て、そして読誦の心構えと方法についてお話になり、宗教的心境と立ち振る舞いは連動しているのだと、道元禅師の「威儀即仏法 作法是宗旨(心は形のあらわれ、形は心を作る)」という言葉で締めくくられました。

静坐・唱題行

145-12-2.jpg一心に題目を唱える 唱題行

 夕方からは本堂で静坐・唱題行。これは浄心行、唱題行、深心行の三つから構成されております。
 まず浄心行においては数息観により調身、調息、調心を行い、唱題行に入る準備を行っていきます。そして唱題行では太鼓の音にあわせて休み無く「南無妙法蓮華経」と繰り返し唱えていきます。一心に唱えて無心になり、「俺が俺が」という自己へのとらわれから解放されることを目標としているようです。
 二日目には皆さんの声もまとまって、声も大きく出せるようになってきたようでした。

作務・食事作法

145-11-1.jpg外作務の光景
145-11-4.jpgお風呂を焚くための薪をつくる

 お寺の生活を体験していただくということで、勤行のほか、午後の講義終了後と朝食の前には作務があります。

 外作務では敷地内の清掃、草刈、また風呂を沸かすためのまき割りを行い、朝の内作務では本堂内部・周辺、庫裏をつなぐ廊下などを掃除しました。

145-12-4.jpg朝は本堂などの内作務
 食事も修行の一環。配膳も受講生が行い、めいめいが勝手に食べていいものではなく、さまざまな作法指導のもとで食べることとなって受講生からは戸惑いの表情もちらほら。なかでも最後にお茶を注いでそれを一切れのたくあんで注いで飲み干すのは普段おこなうものではないだけに面食らってしまいます。

 食後に野坂師から簡単な法話がありますが、食事とはいのちをいただくこと、食事を作ってくださった方への感謝、真実に気づくための行であることを感じ入りました。

自己紹介・フリーディスカッション

145-12-3.jpg最終日はフリーディスカッション

 二日目朝は参加者の自己紹介。家族、身近な人の病気を通して生死を実感した方、社会での矛盾に直面した方、福祉に携わる方などが心の支えとなるものを見出すために入塾したという声が多く聞かれましたが、若い方を中心に日本文化への関心からという声もよせられました。
 最終日のフリーディスカッションでは受講生のみならず、妙厳寺にお手伝いに来た仏教塾の先輩も交えて修行の感想、疑問点など話し合われました。正座への対処法から現在の寺離れという現況、他宗教と仏教との違いといった大きなテーマまでさまざまな話題が上がりました。
 三日目の昼食後には閉講式となりましたが、大熊学監は「修行が終わって忘れてしまっては困る。余韻を残して次回も会えることを願っています。」と締めくくられました。受講生の方々は妙厳寺の方の見送りを受けて帰路に着いたのでした。
 A組では初日かなり冷え込んで、ストーブを出すことにもなってしまいましたが、おおむね晴天に見舞われ、自然豊かな環境の中で自分自身と向き合うひと時を持てたようでした。

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