授業情報

仏教塾第32期スタート 

日付:2019年10月10日

生きる指針を仏教に求め、31名が入塾 生かされている自分を識る第1回修行


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  皆で三帰依文、四弘誓願を唱える
 東京国際仏教塾は第三十二期に入り、三十一名の塾生を迎えて入門課程が始まりました。

 内訳としては男性十六名、女性十五名でほぼ同数という例年にない構成です。年齢別では六十代が最も多く十二名。それに五十代が続きます。四十代以下は約四分の一。十九歳から七十八歳の方が参加されております。遠くは秋田、沖縄からの参加者もおります。

卒塾、入塾者七十名が集う閉・開講式

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修了証の授与
 第三十二期の開講式は四月十九日東京・本郷の東京大学仏教青年会館で三十一期閉講式と併せて行われ、新旧塾生約七十名の方が参加しました。

 式は大熊信嗣学監の先導のもと「三帰依文」と「四弘誓願」の斉唱から始まりました。続いて三十一期生への修了証の授与、新塾生の紹介、塾関係者のご挨拶がありました。最後に入塾者代表が精進の誓いを述べて終了しました。

 大洞龍明塾長は「本塾は還暦得度を掲げて始まったが、若い方々も入ってくるようになった。皆さんには仏教を通して人生を切り開いていく場としてこの塾で学んでいただきたい。」と挨拶。吉田實・塾の会会長は卒業される方には塾での学びを活かすよう、また、入塾される方には「気持ちを新たに臨んでください。」とお話しされました。

 式典に続き、開講記念講演として竹村牧男・東洋大学学長から「大乗仏教の基本を学ぶ」という演題でお話いただきました。竹村先生は大乗仏教興起の事情、小乗仏教との比較から浮かび上がる大乗仏教の特徴についてお話され、現代に即した戒律の提唱もなされておりました。

実践を通じ仏教を学ぶ第一回修行

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本堂でのお勤め
 翌二十日には第一回修行が開催され、受講生は二泊三日の修行に臨むことになりました。会場は千葉県大多喜町の日蓮宗妙厳寺・南無道場。二十七名が参加しました。

 指導くださるのは妙厳寺住職・野坂法行師。また、塾専門課程・日蓮宗コースを修了した卒業生を中心に構成される「法友の会」の方々が食事作りなど研修のお手伝いをしてくださいました。

 初日は受講生が五井駅に集合してバスで妙厳寺へ。ガイダンスの後、本堂にて開講式。勤行の後、大熊学監からは「適度な緊張感を持って臨むこと。如実修行、すなわち決まったことを決った通りに、私の心を抜きに今回の修行に取り組んでいただきたい。」と、野坂師からは、「ここでは仏教を体験していただくことを主眼としている。言葉だけでは仏教を承知したことにはならない。自分を超えた存在によって私の命が有らしめられていることを感じていただければ幸いです。」との挨拶がありました。


 
◆大熊学監の講義◆


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学ぶこころを解く大熊学監
 開講式が終わると早速大熊学監の講義です。学監の講義は三回行われますが、最初のテーマは「学ぶこころ」。当塾では何を学ぶのかについてお話がありました。仏教とは仏となる教えであること、四弘誓願には大乗仏教の特徴が現れている旨のお話があり、私たちが学んでいく仏教の方向性が示されました。また、茶器いっぱいのお茶にそそいでもこぼれてしまうというたとえをひいて、自分の心のうつわを空にして学ぶ姿勢が大切であると説かれました。

 二日目午前のテーマは「僧伽」について。仏教教団の起源や戒律について説明がありました。また、午後の授業では日本への伝来、お寺の起源についてのお話があり、仏教寺院の役割について考察しました。また、現在の寺院をめぐる状況の指摘もなされておりました。


 
◆野坂師講話◆


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ユーモアを交えて講話をされる野坂師
 初日の夜および二日目の夕方は野坂師による講話です。 

 第一回は『仏法を識る者は世法を得る』と題し、日蓮宗の立場からお話しされました。まず、仏教を学ぶ意義についてお話しされ、宗教とは本来根本と言う意味であり、人生においてこれがなければ根無し草になると述べられました。また、宇宙・自然界の調和の世界を象徴的に表した大曼荼羅本尊から導きだされる基本的な考えは「この世の全てのものはお互いに関わり合い、支えあって存在する。そして存在するすべての『人』『もの』はそれぞれに役割があってかけがえのない存在である」こととした上で、仏法を学び、知るとは、「宇宙の大法=仏の意志によってできているこの世界のあるべき様に気づかせてもらう」ことであり、それによって我々は身勝手な生き方から離れて、仏=自然の恵み・宇宙の摂理をわきまえた生き方ができ、住みよい社会や平和につながる旨のお話がありました。

 二日目の講話は「行軌作法」。つまりお寺や仏壇といった御宝前での作法です。それらが仏、妙法を感じるための大切なアイテムであり、御宝前における立ち振る舞いとして大切なのは「尊重の精神」と「厳粛な態度」であるとし、それらを成り立たせる手立てや読誦の心構えと方法について実例も交えつつお話されました。宗教的心境は立ち振る舞いに現れるとする道元禅師の言葉(威儀即仏法 作法是宗旨)を引いて締めくくられました。


 
◆静坐・唱題行◆


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唱題行で自分を見つめる
 夕方は本堂で「唱題行」を行います。浄心行、唱題行、深心行の三つから構成されており、浄心行においては数息観により調身、調息、調心を行い、唱題行では太鼓の音にあわせて一心に「南無妙法蓮華経」と題目を繰り返し唱えていきます。最後の深心行で、再び心を静めていきます。

 野坂師は「天地と我が一体であることを感じてもらうのが唱題行であり、自我という眼鏡で覆われた目から、それが取り払われることで人間としてのレジリエンス(回復力)も生まれてきます。」とお話しされました。


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作務に取り組む姿勢を説く大熊学監  
 
◆作務・食事作法など◆


 お寺の生活を体験していただくということで、午後の講義終了後と朝食の前には作務があります。外作務では敷地内の清掃、草刈、また風呂を沸かすためのまき割りを行い、朝の内作務では本堂内部・周辺、庫裏をつなぐ廊下などを掃除しました。

 食事も修行の一環。配膳も受講生自身で行い、正座をして作法に従い食事をとることになりますが、当初は慣れず戸惑いの表情も見受けられました。最後に食器にお茶を注いで、一切れのたくあんでふき取り、飲み干すのは面食らってしまうかもしれません。食事も「命をいただき、それにより我々が生かされていることに気が付くための営み」であることを再認識させる行でした。

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 生かされていることに気づく食事
 またカリキュラム外のことですが、希望者には太鼓の指導もありました。野坂法靖副住職や塾先輩の柳沢師指導のもと、受講生は実際に打ってみて日蓮宗の太鼓とはどのようなものか経験することができました。


 
◆自己紹介・フリーディスカッション◆


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話し合いでは議論百出
 二日目朝は参加者の自己紹介。仏像への興味から仏教への関心が深まった方、家族の死に直面しどう乗り越えていくかを模索して入塾を決めたなど様々な思いを語られておりました。

 また、最終日のフリーディスカッションでは受講生からの様々な疑問に講師陣が答えておりました。宗旨の違いや成仏とは何か、先祖崇拝と仏教の関係を問う質問のほか、患者の心のケアに仏教の側からどのように取り組むかといった問いが投げられました。また女性僧侶に対する偏見があるといった指摘もなされ、例年になく掘り下げた議論が交わされたように思います。

 閉講式では、大熊学監は「このような修行は一人ではできず、支え合いがあってできる。我々は支え、支えられていることを自覚してほしい。」と述べ、野坂師は「食事の時の、いただきます・ごちそうさまは支え合っていることを思い起こす言葉です。これからは学んだことを実行してください。」と締めくくられました。

 今回は晴天が続き、天候にめぐまれた三日間でした。自然豊かな環境の中で作務や瞑想を行うことができ、私たちが自然の中で生かされていることを実感したのではないでしょうか。

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野坂住職・大熊学監を囲んで受講生の皆さん

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