諸行無常のひびき
塾長 大洞龍明
去る三月十一日に起こった東日本大震災の惨事は、涅槃経に出ずる
また最先端の科学技術で太陽をも制御したと錯覚する人類のおごりをうち砕いたのは津波の後に起こった原子力発電所の大事故でありました。
太平洋戦争の大空爆により、再起不能と思われた焦土の中から蘇った日本の姿を、投影する見方が多くの人々によって指摘されていますが、どうでありましょうか。また一九八〇年代のバブルがはじけて、銀行や上場企業が次々と倒産して行った姿との比較はどうでありましょうか。
今回の大災害はまさしく大自然による脅威に、ある意味抗えない人間の弱さをまざまざと見せつけられる思いがすると同時に、科学技術の発展によって、人類の未来はバラ色であるとの錯覚がうち砕かれたようにも思えます。
大災害で被災された方々のことを思うと、筆をとりながらも胸が痛んできます。
「諸行は無常なり。是生滅の法なり...」
現代人は大宇宙や自然の働きに対して、謙虚になるべきであります。釈尊やいにしえの聖人・賢人の言葉にも謙虚に耳を傾けるべきであります。仏教の無常感は今このときに人々の心にひびいてくることでありましょう。
祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす......
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